①ペットのおうち
「ペットのおうち」は、2011年から運営され、25万頭のペットに「おうち」を見つけて来た定番サイト。保護団体、個人どちらも利用でき、サイズや性別、譲渡対応地域などの条件での検索が可能です。
譲る側が保護団体の場合のみ費用のやりとりが可能で、個人からの譲渡は交通費以外の費用の受け渡し禁止という規定です。「お知らせ」に強制退会情報が度々掲載されていることから、ルールに則っているか監視されていることうかがえます。運営会社情報のページで、アメリカンコッカ―スパニエルの“編集長”のお顔が拝見できますよ。
②ハグー
「ハグー」は、ブリーダーサイトとして定着している「みんなのブリーダー」を運営している企業のシムネットが立ち上げた里親募集サイト。両サイトは目的が異なり、「ハグー」は生体販売業従事者(ブリーダー)ならびにその関係者の使用を禁止しています。
犬以外のペットも幅広く掲載しており、2024年時点での累計譲渡件数は12000件です。個人がやり取り可能な費用は交通費実費のみで、医療費・飼育費なども含む交通費以外の費用の受け渡しは禁止です。保護団体は情報に記載した費用のみ請求可能で、別途寄付金を求めることを禁じたルールがあります。
③ぽちとたま
「ぽちとたま」は、無料会員登録をするとすぐに募集、申し込みができる犬と猫の里親マッチングサイト。里親募集のほか、ボランティア募集や譲渡会開催の告知や情報交換のコミュニティ機能を備えています。2024年2月時点で、里親決定数は約2700件、募集件数は約4700件です。費用のやりとりは原則禁止で、交通費とワクチン接種費用のみ費用を証明できるものを提示することで可能です。
大阪の社団法人による運営で、メディア事業のほか保護猫カフェ事業も行っています。トップページに保健所収容ペットの特集があり、今すぐ助けを必要とする子を家族に迎えたいという人にとって探しやすいサイトです。
④ジモティー 里親募集
「地元の掲示板ジモティー」内の生体里親募集コーナーにも、情報が掲載されることがあります。やむを得ず飼えなくなった個人がペットを救える相手に託す場として運営しており、売買は禁止です。
身分証明書の提示と原則1人1回という制限を設け、理由が曖昧な場合や、無責任な繁殖が原因の場合は掲載を断る方針です。少し時間がかかっても、身近なエリアに住む個人からの譲渡を検討している人に使いやすいのではないでしょうか。
⑤dogoo.com 里親募集ページ
犬の総合情報サイト「dogoo.com」内に、生体無料譲渡専用の里親募集掲示板があります。個人間でも1年以内の件に限り、ワクチン代・ 避妊去勢手術費用・ マイクロチップ装着費・.引渡し送料のやりとりが可能です。掲示板スタイルで利用しやすく、募集投稿からテンポよく譲渡済に切り替わっていきます。
一方でサイト内の別の掲示板には、ユーザー同士で同様のトラブルについて相談しあう書き込みも。サイト側はプラットフォームの提供までで、トラブルに対しては関与しない立場を表明しています。手軽に利用できる分、審査や退会のあるサイトよりも、文面をヒントに悪質ブリーダーによる状態を偽った処分ではないか?募集自体が詐欺ではないか?などを見極める目が必要です。
⑥アニフェア
獣医師賛同型の保護犬・猫と里親のマッチングサービス。提携動物病院や独自の「リコンディショニングセンター」で、健康診断と飼育アドバイスを行うシステムで、月間約500頭の里親が決定しています。保健所引き出しに取り組む保護団体が多数使用するサイトとはカラーが異なり、繁殖引退やペットショップルートをはずれた純血種が多数掲載されています。ブリーダーのもとにいる犬も多く、繁殖卒業犬サイト寄りです。
耳や歯などパーツレベルまでの写真が掲載され、1匹1匹の魅力を訴求するキャッチフレーズも個性がわかりやすく工夫されています。手をかけている分、お迎えセット+ペット保険+リコンディショニングパック費用+専用移送費用+寄付金が必要なので、運営モデルとして納得できれば、初心者にとっても安心感のある場といえます。
⑦OMUSUBI
ペットフード会社のPETOKOTOが運営する、犬と猫の審査制マッチングサイト。個人の事情による里親募集掲載は不可で、事務局の審査を経た団体のみが、情報を掲載可能です。登録しているのは、2024年確認時点で約280団体。愛玩動物飼養管理士在籍の事務局と、サポート体制を備えています。
犬の紹介文や性格などはフォーマットに添った文面が多く、シンプルでわかりやすいと感じる人と個性の違いが少し見分けにくいと感じる人に分かれるかもしれません。丸くてお顔アップの写真が特徴的で、各犬の可愛さが引き出されています。
⑧ペットの命
「ブリーダーナビ」を運営している株式会社アニマライフが提供する里親&迷子情報掲載プラットフォーム。2011年に開設され、長く活用されています。
個人と保護団体が、ともに使用できます。保護団体は事前に情報を掲載した場合のみ、譲渡費用を請求できる決まりです。個人は原則費用の請求禁止で、交通費・送料のみ双方の合意のもと、実費の請求のみ可能と定めています。
番外編 ペットショップのホームページ
ペットショップのホームページに、里親募集中の犬が掲載されていることがあります。
番外編 ブリーダーのホームページ
各ブリーダーのもとで、繁殖引退犬や事情を抱える犬の里親を募集していることがあります。ブリーダーの方針や犬の年齢、健康状態などにより、譲渡費用には幅があるので、しっかり確認しましょう。
里親と犬、どちらも幸せになれる出会いに
保健所収容や劣悪レスキューの保護活動団体を探しやすいサイトと、個人も里親を募集できるサイト、ブリーダーとの連携が中心のサイトなど、さまざまなタイプがありました。どの里親募集サイトが役立つかは、飼育を検討している環境や条件にもよります。
対応できるキャパシティーは、人それぞれです。「殺処分寸の前犬の命を救いたい!心身にハンディがあっても時間をかけて歩み寄れる」「犬を助けたいけど、サイズや子供が苦手でないことなど条件がある」「ペットショップより犬に優しい選択だと検討中、飼育は初めてなので人馴れしている子が安心」など、整理してみると家族になれそうな犬のイメージが見えてきます。家族構成や環境を考えて、相性のよい犬と出会えそうなサイトから探していくとよいでしょう。
里親のもとへ来る犬は、何らかの事情を抱えて元々の環境を離れる不安な経験をしています。もう同じ思いをさせないよう、もし「なんとなく値段が安そうなイメージ」「保護犬を飼うといい人に見えそう」「載っている犬が可愛かった!」といった発想から検討しているようなら、まずは保護犬について調べてみてから「ずっと幸せにしてあげられるか?」をじっくり考えてみてくださいね。
また、保護団体には、「傷ついた犬を絶対に幸せにしてほしい」と希望者の年齢やお留守番時間、住環境などに厳格な条件を設けて審査する方針のところもあります。一方で、「できるだけ早く多くの犬に家を見つけたい」と相性を重視する団体も。目の届く近隣地域の在住者を譲渡対象にする団体が多い傾向にありますが、遠方でも対面できれば譲渡可能という方針の団体も存在しています。譲渡可能エリアの絞り込み検索、条件の確認は大切です。
読者の皆さんが、最期の瞬間まで寄り添える犬をパートナーに迎えられますように。
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